疲労解析
【解析手順】
@解析対象をモデル化する
A荷重(繰返し荷重)を考える
B部材に加わる荷重を解析する
CS-N曲線を考える
【解析例】
(解析対象)
例題として、中央孔がある板に次のように引張荷重がある場合を考えます。
この例題は、モデルが対称性があるため、赤線で囲まれた部分(1/4部分)を解析します。
図1 解析対象
抽出した1/4部分を、下図のようにメッシュを作り要素を分割します。
(解析モデル)
図2 解析モデル
(解析結果)
図3は、板の長手方向( X座標)応力分布を示したものです。応力値の大きさは、色分けして示されていますが、赤色の部位が高応力部位です。この図から、荷重方向に対して、円孔縁に応力が集中していることが分かります。なお、青色部位は、圧縮応力が集中していることを示します。
最も大きな応力は、応力集中部の316MPaとなりました。
図3 解析結果(X方向の応力分布)
(引張強度)
このモデルの材料は、鋼材(SS400)とします。
SS400の引張強さは約450MPa程度なので、引張応力だけで破壊することはありません。
(S-N曲線)
疲労を考える場合、その材料のS-N曲線を考える必要があります。
上記解析結果より、応力集中部の応力は316MPaなので、S-N曲線上にプロットしてみると、104〜105回程度、この荷重が繰返し加わると、破壊することが分かります。
図4 鋼材のS-N曲線
(疲労設計)
このように、疲労解析によって応力集中部など最も大きな応力を解析によって求め、設計の場合は、材料に加わる最も大きな応力を、106〜107回数耐ええる荷重(疲れ強さ)より低くする必要があります。